
私がこの本で一番読んでほしいのは、冒頭の部分で出て来る「琉球の天地創造」の部分です。聖域のニライからやって来たアマミクという神様が一番初めに創ったという森や、「上陸」した場所などが載っています。中には「一時居住していた」なんて場所もあったりして面白いです。左側のメニューに「沖縄の聖地」というコンテンツがありますが、このページはこの本から一部を抜き出したものです。
沖縄には独特の世界観・宇宙観・宗教観があり、それらは古くからあった元々の土着信仰と、日本や中国の宗教(仏教、道教など)が混ざり合って形成しているものです。例えば家庭の守り神である火の神(ヒヌカン)は元々は道教のかまどの神であったものが、沖縄に伝わり変容したものです。また、火の神が家庭単位の信仰であるとすれば、御嶽(ウタキ)は村落単位の信仰の対象であり、本土での鎮守の杜や神社に相当します。そして、海上楽土があるとされるニライカナイの信仰は、沖縄全体の信仰対象であるといえます。面白いと思いませんか?
でも、民俗的な事に全く興味がない人にはこの本はあまり面白くないかも知れませんし、ちょっと難しい部分もあるのでこの本は「世替わりにみる沖縄の歴史」のように誰にでも勧める訳ではありません。それにこの本の大半は沖縄各地の聖地・御嶽の具体的な説明に費やされているので、純粋に読み物として楽しみたい人にはちょっとつらいかもしれないです。
それでもこの本が売れ続けているのは、やはり実際に沖縄各地の聖地や御嶽を廻ってみたいという人が多いからだと思います。そういう人にとってはこの本はガイド的な役割を果たしてくれるので、とても役立つ本だと思います。本土の方などは、この本を片手に「沖縄の聖地を巡る旅」なんてどうでしょう?沖縄の観光地なんてもう知り尽くしている、なんて人も新しい沖縄に出会えるんじゃないでしょうか。(ただし、聖地なのでそれなりの気遣いはしましょうー汚したり、木を折ったり、石を持って帰ったりしない等ー)
沖縄の特殊な文化の下地になっている、こうした宗教観や世界観などを探る旅もいいと思いますよ?勿論、青い空と海も十分に満喫してくださいね!