沖縄の迷信あれこれ
定期連載コラム
●沖縄は日本の他府県と比べ、かなり特異な文化を持っています。それは中国と密接な関係を持っていた事も要因として挙げられますし、日本本土とはかなり離れた位置にあり、中央の文化の影響を受けにくかった、もしくは影響を受けるのに時間がかかった、というのが一因だとも考えられます。
沖縄の人びとは昔から自然現象の変化や夢の吉凶というものに大変興味を持ち、自分達の生活と結び付けて考えて来ました。自分や家族の身に災いが降りかかった時には、ムヌシリ(物知り)、サンジンソウ(三世相)、あるいはユタ(巫女)と呼ばれる霊能者に占ってもらったり厄払いをしてもらうという風習が色濃く残っています。一時期、人びとを惑わすという理由で公権力によって厳しい弾圧を受けるのですが、一般民衆の支持は根強く、沖縄社会における彼らの存在価値は、現在においてもいささかの変化もありません。
沖縄の社会に根付く迷信と民衆の心を掴んだ霊能者たち
現象によるムヌシラシ・迷信
●ヒーダマ(火の玉)は七色あり、色によって厄または福となる。
●ヒーダマの上がった方角の家に死者が出る。
●ヒーダマが落ちた家から死者が出る。
●夜中にダビズネー(野辺送り)の「ワー」と泣く声が聞こえると厄。
●海で釣りをしていて髪の毛またはそれに類するものがかかってきたときは、竿を捨てて帰ってこなければならない。霊に引きずり込まれる。
●イチマブイ(生霊)が出歩くと人が死ぬ。
●イチマブイが墓を前にして立ったら生きる見込みはない。
現象によるムヌシラシ(物知らせ)
※沖縄では人体に宿っているマブイ、いわゆる霊魂は七つあるとされています。これがナナマブイ(七霊魂)といわれるものです。死者にはシニマブイ(死霊)、生者にはイチマブイ(生霊)があるとされています。
●沖縄では、古くから災厄の前兆として、種々雑多な生き物の動きや自然現象の変化、また夢の中に吉凶が表れるとされてきました。それが「ムヌシラシ」(物知らせ)あるいは「シラシグトゥ」(知らせごと)といわれるものです。
自分の身の回りで「ムヌシラシ」があった場合、そしてそれが凶と出た時は、これを厄としてすみやかに前述したムヌシリやユタ、サンジンソウなどのところへ行き、その原因を確かめるために占いをしてもらいます。そして、厄払いのウグァン(御願=祈とう)をすることによって厄災から逃れようとしたのです。
以下に、「現象によるムヌシラシ」を掲載しておきます。一口に現象といっても、いろいろな俗信が示すようにさまざまなものがありますが、その中でも「ヒーダマ」(火の玉)が上がることは死の予兆だとして、人びとにもっとも恐れられたようです。