ヘリ墜落事故
定期連載コラム

●2004年8月13日午後2時15分ごろ、沖縄県の宜野湾市にある沖縄国際大学一号館の駐車場(ここは教員の駐車場)に、米軍のCH53D大型輸送ヘリコプターが墜落して炎上、乗員の海兵隊員3人のうち1人が重傷、2人が軽傷を負った。
幸い死者は出なかったが、周辺は住宅が密集。墜落地点から数10メートルのアパートの1階と2階では、ヘリの部品や衝突によって飛散、もしくは削り取られた大学の壁のコンクリートがガラス窓や網戸を突き抜けた。夏休みで学校に人気が少なかったとはとはいえ、死者が出なかったのは奇跡的ともいえる。事故現場から100mも離れていない場所には、夏休みでも比較的学生がいる図書館がある。また、その反対側にはガソリンスタンドもあり、まさに少し墜落地点がずれただけで大惨事になっていたことが容易に想像できる。
事故現場は米軍によって封鎖され、沖縄県警による現場検証も出来ないまま、事故機は灰に至るまで回収されてしまった。事故現場からは放射能が検出されているといい、一体このヘリが何を運んでいたのか、全く不明のままである。筆者は当日、事故機に近づくことはできなかったが、事故の撤去作業で黄色い防護服に身を包んだ米兵が、オレンジ色の箱に入った物を撤去していたらしい。これが劣化ウラン弾なのではないかという憶測も、一部で流れている。
現場にいた米兵が全て完全防備でガスマスクをしていた訳ではないので、恐ろしい化学兵器が積まれていたわけではないだろうが、
何らかの危険物を積んでいた可能性はあるわけだ。ここまでかたくなに現場検証を拒み、灰まで全て持っていってしまうと、何かあるのではと勘ぐりたくなる。
沖縄県の稲嶺知事は普天間飛行場での全機種の飛行停止を米側に要求したが、米軍は墜落機と同型のヘリまで飛行を再開させた。事故を起こしたCH53Dは老朽化が指摘されており、今年4月には、広島県戸河内町の中州に、米軍岩国基地所属機が不時着。油圧系統のトラブルが原因だった。
この事故は本土と沖縄のマスコミの取りあげ方にかなりの温度差があった。死者が出なかったこと、オリンピックと重なっていたことも要因にあるだろうが、それでいいのだろうか。これは「エンジントラブルが原因で不時着」といったニュースとは根本的に事件の大きさが違う。市街地に墜落しているのだ。事故が発生してしばらくの間、小泉首相は何ら事故に関するコメントを出さないばかりか、夏休みを理由に東京に行った稲嶺知事とも会わないという。死者が出ていても同じ態度だったのか、聞いてみたいところだ。
とにかく、この事故は沖縄の基地問題における、大きなターニングポイントになるのではないだろうか。 ▼現場・墜落したヘリなどの写真(クリックすると大きな写真が見れます)
〜今も昔も危険と隣り合わせの沖縄〜
▲騒然とする現場周辺
▲大学構内には機動隊が・・(写真右)
▲ヘリの部品が飛散した住宅地の現場
▲こんなものが空から降ってくると思うと・・
▲ヘリがぶつかった沖縄国際大学1号館
▲墜落したCH53D。黒こげだ。